【100円寿司評論家の元店長が徹底解説】寿司の食べ放題で元は取れるのか?!
かっぱ寿司が食べ放題を実施していますね。
先日、スマートニュースを見ていたら、こんな記事を見かけました。
支払い金額が単品金額を僅かながら上回ったので元を取れたと解釈していました。
ちょっと残念な考え方だと感じたので、詳しく書きたいと思います。
食べ放題などで元を取りたいと感じている方は読んでおきましょう。
金額は主に男性の価格を主体に書いています。
チェック!:飲食店ノウハウなどをブログで発信中!
1.元を取るとはどういうことか?
まずは「元を取る」というのはどういうことだろうか?
これには二つ考え方がある。
■単品価格が食べ放題価格を上回る
■お店の利益を上回るほど食べる。
前者の考えがさきほどの記事にもあった考え方だ。
ただ、これには大きな落とし穴がある。
それは単品価格で考えれば食べ放題価格を上回るのは当然のことで、ほとんど誰でもできることなのだ。

そのように価格設定しているわけだからだ。
例えば、居酒屋の飲み放題をイメージしてもらいたい。
だいたい1000円程度で飲み放題を利用できるところがほとんどだ。
単品だと1杯400円くらいのドリンクだとすれば3杯で元を取ったことになる。
若干は安くはなったと考えれば得しように映るが、実際は時間制限のある中で3杯飲んだ程度だ。
クーポンや割引券などを利用した方がこの程度では単品のほうが得だということもあるだろう。
食べ放題の価格などはある程度多く食べられることを計算されて料金設定がされている。

つまりかっぱ寿司の場合の1580円という金額は寿司皿だけで考えれば16皿食べれば元を取ったというように聞こえる。
しかし、はま寿司では平日90円皿を提供していたりします。
あるいはかっぱ寿司では100円引きクーポンや1割引クーポンがたまに配信されますよね。
ということは食べ放題では利用できないようなクーポンを引いた価格を最低でも上回らないといけませんよね。
16皿を90円で食べたとすれば価格は1440円だ。
そうなると1割引計算だと18皿は食べないといけないこととなるのだ。
18皿ってけっこう大食いでないと食べるの難しいですよね。

若い学生の方なら食べられるかもしれませんが。
しかし、普段食べないような寿司など、食べ放題だからと無駄に食べてまで達成したところでそれは元を取ったというのだろうか。
普通に食べてれば13皿程度で満足感も得られて1300円程度の会計で終わるものをだ。
結果的には余計に数百円を払ってしまってる。

お店の売上を上げてくれているということだ。
本当に元を取るというのは後者のお店の利益を上回るほど食べるということだろう。
これこそ達成すれば、お店は損しているということになるのだ。
2.損益分岐点を考える
さて、お店が損するにはどのくらい食べられればいいのだろうか?
ここの考え方をひとつ。
お寿司の原価はだいたい40%程度だ。

ただ、原価で商品を食べることはできない。
それは食材の原価には人件費などが含まれていないからだ。
外食する以上は商品には最低でも人件費を含めた価格を考えなければいけない。
原価に人件費を加えたものをFLコストと呼ぶ。
このFLコストがだいたい高くて70%程度が回転寿司業界の標準だ。
これを超えるとお店は利益を出せない。
つまり100円寿司だけで考えるならば、寿司皿を70円換算して考える必要があるということ。
1580円という食べ放題価格を70円で割ってみると、約23皿食べる必要がある。

ここでようやく元を取る、つまりお店が損するという状況になるのだ。
一般的にこの皿数を食べる人はそう多くはないだろう。
1皿のシャリの量が約36g(一貫約18g)だ。
計算するとなんと約830gものご飯を食べなければいけないのだ。
通常の丼のご飯が200gだ。ご飯4杯以上という計算。
こりゃ育ちざかりの男子でもギリギリのラインではないだろうか。
さらに言えば、サイドメニューの方が原価率が低いものが多いのだ。
寿司皿だけではなかなか厳しいと思い、うどんやラーメンを食べる方も多いだろう。

麺類というのは原価率が低い商品でもある。
同じくデザートも原価率が低いものが多い。
またデザートの場合はFLコストが低くなるという魅力がある。

これらサイドメニューは金額的には高く設定されているが原価率が低くお腹もいっぱいになりやすいため、
お店にとっては好都合でもあるのだ。
単品価格で上回るのがいかに元を取れていないというのはここにもからくりがあるということだ。
ですので、お店はそれなりに利益を出せるということだ。
売上自体は上がりますからね。
通常の客単価が1000円程度なので、食べ放題だとこれを1.5倍も上回る1580円を獲得することができます。
3.食べる目的を忘れてはいけない
料金にばかり注目してきましたが、ここで重要なことを書きたい。
それは食べる目的が何なのかだ。

かっぱ寿司であれば、「美味しい寿司を安価で食べたいから」ではないだろうか?
しかし、食べ放題になってしまうと「元を取る」のが目的になってはないだろうか?
途中で、「あと4皿くらいは食べなければ」という義務的な心理状態になってしまうだろう。
これは冒頭の記事でも見受けられた心理状態だ。
実はこういう心理状態で食べるお寿司は通常の料金で食べる寿司よりも不味く感じる。
そして腹を満たすために、普段なら食べないような寿司の種類なども余計に食べてしまう。
これも満腹にして元を取ろうという気持ちから出る行動だ。
食べた後に得られる満腹感は果たしてどんなものだろうか。
多くの方が「元を取れてよかった」という思いではないだろうか。
はたまた「満腹だ、もう食えない・・・」という限界に達したなという感覚だろう。
ここでもう一度、食べる目的がなんだったのかを考えてみたいところだ。

4.お店側の策略にはまるな!
私は食べ放題は肯定派でもある。
年齢とともに食べる量は減ってはきたが、やっぱりコスパは良いことは確かだ。
元を取るのは難しいが、お得感は高い。
しかし、実際に店長をやっていた私がお店の狙いを説明しよう。
それは売上を上げるためだ。
売上というのは「客数×客単価」で決まる。
食べ放題の実施はどちらも増えるのだ。
本来、来店しない客が食べ放題だからと来店する、そして本来は1000円程度の客単価が1500円程度取ることができるのだ。
これを満席にならない時間帯を利用して、空いている席を活用すれば売上がが上がるのは明確だろう。
また、最近はランチタイムやディナータイムでも実施をし始めた。
そこでより単価の高い上級コースを作ることで、本来の客よりも高い単価を得ることができるようにしたわけだ。
しかも、ランチタイムも値段が変わらないのがデメリットだ。
普通の飲食店はランチタイムはランチ価格などがあるが、かっぱ寿司の食べ放題ではそれが存在しない。
関連記事:【回転寿司の原価率高いネタランキング【元店長がぶっちゃけ大暴露】
ランチタイムだからといってコストは変わりませんからね。
食べ放題予約が入ればラッキーくらいな感覚かもしれませんね。
ディナータイムも食べ放題予約が入れば通常より2倍以上の売上も見込めることになります。
食べ放題をどんどん利用してくれれば、お店の売上はどんどん上がって大助かりですな。
多くの飲食店が食べ放題という荒業にどんどん挑戦していくのはこういうことなのですね。

5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
食べ放題で元を取るのがいかに難しいかわかったと思います。
ただ、コスパ良く多くのものを食べられる食べ放題は消費者としてはお得ではあります。
寿司の食べ放題に関しては私はもう利用したくないなと感じましたが。
関連記事:【お金を使わずに利用】キャンペーン中のかっぱ寿司をお得に利用してきた【見なきゃ損!】
やっぱり焼肉やしゃぶしゃぶの食べ放題はお得感が非常に高く感じますよね。
単品では非常に高くつきますからね。
これはなぜかというと、FLコストが低いからだ。
簡単に言えば、人件費が非常に低いということ。
先日、スマートニュースを見ていたら、こんな記事を見かけました。
これは元を取れたとは言えないですなぁ。むしろ損してますね🤔無理して食べるのは楽しくもないねhttps://t.co/2sgd1SFeLf
— 元てんちょ~@酒と野球好きブロガー (@syoutyuuumebosi) 2018年10月6日
支払い金額が単品金額を僅かながら上回ったので元を取れたと解釈していました。
ちょっと残念な考え方だと感じたので、詳しく書きたいと思います。
食べ放題などで元を取りたいと感じている方は読んでおきましょう。
金額は主に男性の価格を主体に書いています。
チェック!:飲食店ノウハウなどをブログで発信中!
まずは「元を取る」というのはどういうことだろうか?
これには二つ考え方がある。
■単品価格が食べ放題価格を上回る
■お店の利益を上回るほど食べる。
前者の考えがさきほどの記事にもあった考え方だ。
ただ、これには大きな落とし穴がある。
それは単品価格で考えれば食べ放題価格を上回るのは当然のことで、ほとんど誰でもできることなのだ。

それは余裕だ~
そのように価格設定しているわけだからだ。
例えば、居酒屋の飲み放題をイメージしてもらいたい。
だいたい1000円程度で飲み放題を利用できるところがほとんどだ。
単品だと1杯400円くらいのドリンクだとすれば3杯で元を取ったことになる。
若干は安くはなったと考えれば得しように映るが、実際は時間制限のある中で3杯飲んだ程度だ。
クーポンや割引券などを利用した方がこの程度では単品のほうが得だということもあるだろう。
食べ放題の価格などはある程度多く食べられることを計算されて料金設定がされている。

つまりかっぱ寿司の場合の1580円という金額は寿司皿だけで考えれば16皿食べれば元を取ったというように聞こえる。
しかし、はま寿司では平日90円皿を提供していたりします。
あるいはかっぱ寿司では100円引きクーポンや1割引クーポンがたまに配信されますよね。
ということは食べ放題では利用できないようなクーポンを引いた価格を最低でも上回らないといけませんよね。
16皿を90円で食べたとすれば価格は1440円だ。
そうなると1割引計算だと18皿は食べないといけないこととなるのだ。
18皿ってけっこう大食いでないと食べるの難しいですよね。

食べられるか微妙だ・・・
若い学生の方なら食べられるかもしれませんが。
しかし、普段食べないような寿司など、食べ放題だからと無駄に食べてまで達成したところでそれは元を取ったというのだろうか。
普通に食べてれば13皿程度で満足感も得られて1300円程度の会計で終わるものをだ。
結果的には余計に数百円を払ってしまってる。

たしかに1400円程度で飯を食べれたとこだった
お店の売上を上げてくれているということだ。
本当に元を取るというのは後者のお店の利益を上回るほど食べるということだろう。
これこそ達成すれば、お店は損しているということになるのだ。
さて、お店が損するにはどのくらい食べられればいいのだろうか?
ここの考え方をひとつ。
お寿司の原価はだいたい40%程度だ。

ただ、原価で商品を食べることはできない。
それは食材の原価には人件費などが含まれていないからだ。
外食する以上は商品には最低でも人件費を含めた価格を考えなければいけない。
原価に人件費を加えたものをFLコストと呼ぶ。
このFLコストがだいたい高くて70%程度が回転寿司業界の標準だ。
これを超えるとお店は利益を出せない。
つまり100円寿司だけで考えるならば、寿司皿を70円換算して考える必要があるということ。
1580円という食べ放題価格を70円で割ってみると、約23皿食べる必要がある。

そんな食えるか!
ここでようやく元を取る、つまりお店が損するという状況になるのだ。
一般的にこの皿数を食べる人はそう多くはないだろう。
1皿のシャリの量が約36g(一貫約18g)だ。
計算するとなんと約830gものご飯を食べなければいけないのだ。
通常の丼のご飯が200gだ。ご飯4杯以上という計算。
こりゃ育ちざかりの男子でもギリギリのラインではないだろうか。
さらに言えば、サイドメニューの方が原価率が低いものが多いのだ。
寿司皿だけではなかなか厳しいと思い、うどんやラーメンを食べる方も多いだろう。

やばいラーメン食って満足してた
麺類というのは原価率が低い商品でもある。
同じくデザートも原価率が低いものが多い。
またデザートの場合はFLコストが低くなるという魅力がある。

ケーキなんか解凍して出すだけだもんな
これらサイドメニューは金額的には高く設定されているが原価率が低くお腹もいっぱいになりやすいため、
お店にとっては好都合でもあるのだ。
単品価格で上回るのがいかに元を取れていないというのはここにもからくりがあるということだ。
ですので、お店はそれなりに利益を出せるということだ。
売上自体は上がりますからね。
通常の客単価が1000円程度なので、食べ放題だとこれを1.5倍も上回る1580円を獲得することができます。
料金にばかり注目してきましたが、ここで重要なことを書きたい。
それは食べる目的が何なのかだ。

かっぱ寿司であれば、「美味しい寿司を安価で食べたいから」ではないだろうか?
しかし、食べ放題になってしまうと「元を取る」のが目的になってはないだろうか?
途中で、「あと4皿くらいは食べなければ」という義務的な心理状態になってしまうだろう。
これは冒頭の記事でも見受けられた心理状態だ。
実はこういう心理状態で食べるお寿司は通常の料金で食べる寿司よりも不味く感じる。
そして腹を満たすために、普段なら食べないような寿司の種類なども余計に食べてしまう。
これも満腹にして元を取ろうという気持ちから出る行動だ。
食べた後に得られる満腹感は果たしてどんなものだろうか。
多くの方が「元を取れてよかった」という思いではないだろうか。
はたまた「満腹だ、もう食えない・・・」という限界に達したなという感覚だろう。
ここでもう一度、食べる目的がなんだったのかを考えてみたいところだ。

美味しく食べたいよなぁ
私は食べ放題は肯定派でもある。
年齢とともに食べる量は減ってはきたが、やっぱりコスパは良いことは確かだ。
元を取るのは難しいが、お得感は高い。
しかし、実際に店長をやっていた私がお店の狙いを説明しよう。
それは売上を上げるためだ。
売上というのは「客数×客単価」で決まる。
食べ放題の実施はどちらも増えるのだ。
本来、来店しない客が食べ放題だからと来店する、そして本来は1000円程度の客単価が1500円程度取ることができるのだ。
これを満席にならない時間帯を利用して、空いている席を活用すれば売上がが上がるのは明確だろう。
また、最近はランチタイムやディナータイムでも実施をし始めた。
そこでより単価の高い上級コースを作ることで、本来の客よりも高い単価を得ることができるようにしたわけだ。
しかも、ランチタイムも値段が変わらないのがデメリットだ。
普通の飲食店はランチタイムはランチ価格などがあるが、かっぱ寿司の食べ放題ではそれが存在しない。
関連記事:【回転寿司の原価率高いネタランキング【元店長がぶっちゃけ大暴露】
ランチタイムだからといってコストは変わりませんからね。
食べ放題予約が入ればラッキーくらいな感覚かもしれませんね。
ディナータイムも食べ放題予約が入れば通常より2倍以上の売上も見込めることになります。
食べ放題をどんどん利用してくれれば、お店の売上はどんどん上がって大助かりですな。
多くの飲食店が食べ放題という荒業にどんどん挑戦していくのはこういうことなのですね。

いかがでしたでしょうか?
食べ放題で元を取るのがいかに難しいかわかったと思います。
ただ、コスパ良く多くのものを食べられる食べ放題は消費者としてはお得ではあります。
寿司の食べ放題に関しては私はもう利用したくないなと感じましたが。
関連記事:【お金を使わずに利用】キャンペーン中のかっぱ寿司をお得に利用してきた【見なきゃ損!】
やっぱり焼肉やしゃぶしゃぶの食べ放題はお得感が非常に高く感じますよね。
単品では非常に高くつきますからね。
これはなぜかというと、FLコストが低いからだ。
簡単に言えば、人件費が非常に低いということ。
焼肉やしゃぶしゃぶは食材をそのまま提供すればいい。
焼いたりするのはお客様なので店側はちょっとした手を加えるだけで済むからだ。
非常に原価に近い価格で出せるから割安感が高いということ。
バイキングというのも同じだ。
バイキングはその都度作る必要がないので、人件費をかなり削減できるのでこれもFLコストが低くなる。
だから消費者には非常にコスパが良いということだ。
その一方で、FLコストが高い回転寿司は割安感があまりないということだ。
価格設定も高くなりがちなので、寿司の食べ放題はそこまで流行っていないし、参入する会社もまだ多くないということだ。
他の食べ放題に比べると寿司の食べ放題は人件費が高くついてるので元は取りにくいですよね。
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焼いたりするのはお客様なので店側はちょっとした手を加えるだけで済むからだ。
非常に原価に近い価格で出せるから割安感が高いということ。
バイキングというのも同じだ。
バイキングはその都度作る必要がないので、人件費をかなり削減できるのでこれもFLコストが低くなる。
だから消費者には非常にコスパが良いということだ。
その一方で、FLコストが高い回転寿司は割安感があまりないということだ。
価格設定も高くなりがちなので、寿司の食べ放題はそこまで流行っていないし、参入する会社もまだ多くないということだ。
他の食べ放題に比べると寿司の食べ放題は人件費が高くついてるので元は取りにくいですよね。
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